KIBI CRAFT

 

工房日誌

テーブルの色抜け 2011.09.16
前回のテーブルをご紹介します。

僕の事を唯一塗装屋と呼ぶ家具屋さんから
「これはどうにもならんわ 脚と椅子はやるから、何とかして 半つやでね」
と言われ預かってきたテーブルの天板です。

鏡面でって言われたら毎月の塗料代だけで精一杯の貧乏修理屋ですので
設備的に難しいんですが、半つやなら何とかなります。


鏡面塗装とかピアノ塗装とかツヤ有りだの半つやだのって何が違うのかといいますと、

僕らの言う鏡面塗装は、書いて字の如しで、鏡の様な写り込みのある塗装をいいます。
木の目を埋め、細かなサンドペーパーで丁寧に塗膜を研いでさらにポリッシャーと呼ばれる磨きマシンでぴかぴかにする塗装を言います。

ピアノ塗装と同義扱いですが、ピアノは機械塗装で機械研磨ですので、あそこまで大きな面積を綺麗な鏡面にするのは手塗りではほぼ無理です。
UV照射器でもあれば何とかなるのかもしれませんが。

でツヤ有りというのは、特に鏡面の様に磨く事も無く、クリヤー塗料を塗りっぱなしで仕上げた物を
指す事が多いです。
ツヤにも段階があり、
全艶消→7分消、→半艶消、→3分消、→艶あり
と、右へ行く程艶が高くなります。
ですので、半つやとは、艶有りでもなく艶消しでもなく、その中間のつや
と言う事になります。

まどろっこしや

話を戻しまして
P11905721.jpg

一見直す所が無いんですが、

09162.jpg

こんな感じで色が抜けてしまっています。
常にテーブルクロスなどが置いてあって久しぶりに取ったら色が変わっていた
なら解るんですがそうでも無さそうで、
なぜこんな色の抜け方をしたのかは不明ですが、端から端まで綺麗に1本。

こういった場合、周りの色に合わせ、地道に色を乗せて行きます。

09163.jpg
上の写真に2本白っぽいスジがありますね。
左側のスジは木本来の色なのでそのまま、
右側のスジが消してほしいという方なので、これを消したのが下の写真です。


09164.jpg