こネタ 2011.05.20
少し役立ち明日から快適に過ごせるかもしれない修理の小ネタを一つ。
この写真は修理後の写真でありますが、取っ手が木目方向に パリっと割れていました。
(矢印がジョイントした箇所です)
取っ手の厚みは3ミリ弱と薄く接合部のみをくっつけてもすぐに取れるのは目に見えています。
一度取れてしまうと再接着しても力が分散せずやはり折れてしまうものです。
作り直すも良し、裏から木で補強するでも良いと思いますが、
今回は、「吉野紙」。
どう修理するかはそこにかかる負荷によって、感覚的に使い分けます。
吉野紙はようやく見つけた補修材でもなんでも無く、工房に常にある物なのでこれを使っています。
これは塗料の濾し紙(和紙)ですが、なかなかあなどれません。
実は取手の表面と裏面に、木目と紙が破けやすい方向が交差するように貼っています。破損箇所を中心に2プライもやれば十分ではないでしょうか。
樹脂を染み込ませる事により紙が透明になり、木目がすっきりと見えます。
こうする事で3次元的な強度を出せる事と、割れた箇所に集中する力を分散させる効果があります。加えて、オリジナルの色や雰囲気をほぼ維持できるのです。
(多少 目 はつぶれてしまいますけどね、 クローズポアです)
さも僕が思いつきました感ですが、身近なところではFRP、漆器では 布着せ といった技術がありますね。
それをパクった訳です。
貼り繋がりでいくと最近デコパッチが気になります。