KIBI CRAFT

 

工房日誌

おまかせのソファ 2011.05.13
たまにはしごとしごと。
リメイク になるのかな ちょい足し。

お世話になりっぱなしの宮本さんから、ワンシーターソファの皮が剥げてしまっている部分なんとかなりませんかって事で、お邪魔してきました。

ボンクラさんで余ったソファのようで、それを引取りにきた方が修理をご希望との事だったようです。

アーム部分の先端の合皮が剥げてしまっており、ガムテで補修された跡がありました。
しつこい様ですが、皮とか張り物関係はまだまだ専門外です。レザーリペアって方法もありますが、道具が無い。
レザーリペアってあのー、皮の質感をかたどってシリコンのよな充填材でで穴埋めて色付けるってやつです。車のシート屋さんがよくやってます。
だから道具が無い。
タッチアップなら5分で終わるんですけどね。

でも実際無料で引き取ったものとかリサイクルショップに安く出てそうな家具に気持ちよく万単位のお金を出す人はそういません。

施工は一点一点考えながらの手作業で、まとまった時間も費用も必要なんですけどね

割と高額な修理より買った方が安いと考えるのが普通で、
この辺でどう付加価値を出せるかにいつも苦労するわけですよ

価値ってもそれは自分の中で見い出すもんだと思いますが。
そんな考えだから流行もんにとんと うとい。死活問題。

んで、木を置く事を提案した所、即採用。工賃も決まり、預かって参りました。

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さてなにから始めようか
よく見ると奥のソファは座面が不自然なヘコミ方してます。
座るとやっぱりべこべこ
興味本位で点検点検。

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開けながらすぐ解ったんですが、ワラがどっさりこぼれてきました。
奥の麻布がしっかり破れてます
正直見てしまった感がありますが、放置できる程神経が図太くないので、やっぱりばらします。

こんな事やってるからいつまでたっても もうかりません。

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とりあえず補修完了として、次に進みます。



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ようやく本番。まずアームの余分なスポンジを取り除きます。その後釘でレザーを固定し、
カッターで不要な部分をカット

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木を置いて、ここまで長かったなーと思いつつ、色をどうしようか考えます。
どうしようかというのは、おまかせ だったので。

お任せは難しいんですが、わりと好きで。
お客さんからも提案がありましたが一番ベターというか無難な色は脚の色に合わせる事です。
でもですよ、脚の色に合わせるとただでさえ重いトーンの色なのにそれに拍車がかかり、なんというか
書道教室とかにありそうな、妙に所帯染みた感じになります。悪くないけどイメージと合わない。

次に無着色のクリア・オイルフィニッシュも考えました。自然な感じが好きな方が好む仕上げです。
天然生活。
いや、チョコブラウンのシートと真逆の方向を向いているというか、無難な選択ではありません。
お任せといっても冒険し過ぎな感じです。

でオークの様な色は(黄色系)どうかなと思って合わせてみたんですが、補色のせいか、ちょっとうるさい感じでした。それで色々あてがって考えた結果、ストックしてたケヤキ系統の色が、割とどんな部屋に置いても合わせやすく無難だとの結論に至りまして

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がしがし塗って行きます。普通にツヤありです。

ソファのダメージがあるのでツヤありくらいの方がキズが解って自然と全体に馴染んで行くかと。
半つやだと無難に仕上がりますが、キズが目立ちにくい分、なかなか全体の調和がとれてこないと思ったので。 


で完成。

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しっかり固定できてますが、裏はダボと両テで止まってるだけなので脱着も苦労しません。
(万が一に備え塗り替えに対応)
いい味出しそうな塗装です。これから楽しみですね